退職が決まったとき、
「有給休暇がたくさん残っているけど、全部消化できるのかな?」
「もし余ったら、お金に換えてもらえるの?」
こんな疑問や不安はありませんか?
実は、有給休暇の“買い取り”には法律上のルールがあり、「だれでも必ずお金でもらえる」というものではありません。
ただ、交渉のしかたや職場ごとの規定次第で、”棚ぼた的なお小遣い”が手に入る可能性もあります。
そこで当記事では、退職時の有給消化で損しないために知っておくべきことをわかりやすくまとめました。

ぜひ、最後まで読んで、納得して次の一歩を踏み出してくださいね。
- 有給休暇の買い取りに関する法律の基本
- 退職時に「損しない」ための具体的なアクション
- 実際の看護師現場でよくある「上司からの断り文句」「申請トラブル」への対応例
「せっかく頑張ってきたのに、辞めるときに損したくない!」というあなたのために、“今すぐできる準備と交渉術”をお届けします。
大原則:「有給休暇をお金で買う」のは、基本的にNG
まず、大前提として知っておいてほしいのは、有給休暇の本来の目的は「働く人の心と体をリフレッシュさせるため」にあります。
そのため、国(法律)は、職場が労働者から「休む権利」を奪って、お金で解決することを、原則として認めていません。



「休みたい」と言っているのに、「金は払うから働け!」は、違法です
未消化の有給は買い取ってもらえる?
結論からいえば、有給休暇の買い取りは原則NGですが、例外的に職場が買い取るケースもあります。ただし義務ではありません。
なぜなら、あなたが退職日を迎えると、その会社で有給休暇を使う権利そのものが消滅してしまうからです。
この「権利が消滅して、消えてしまう日数分」を、職場が「恩恵的な措置」として、お金に換えて精算してくれる。
これが、退職時の「有給休暇の買い取り」です。
ポイントは、これが法律で定められた「義務」ではなく、あくまで職場側の「配慮」や「サービス」だということです。例えるなら、「職場からの最後の餞別(せんべつ)」のようなものだと考えてください。



ですから、あなたが職場に対して、「買い取ってください!」と強く要求することはできません。
退職時の有給休暇、「絶対に消化できる権利」なの?
結論からいえば、退職日までに残っている有給を全て消化することは可能です。
有給休暇は労働基準法で「従業員の権利」として定められており、雇用側(病院や施設など)は原則、これを拒否できません。
よくある職場の“圧力”や“断り文句”への対処法
「うちは人が足りないから有給は無理」
「今まで誰も退職前に有給を取った人はいない」
…といったプレッシャーをかけられる職場も、残念ながら未だにあります。
「人手不足」や「前例がない」といった理由での拒否は、労働基準法違反の可能性が高いです。
病院側の都合や“職場の慣習”は、労働者の権利より優先されるものではないからです。
こんな場面で役立つQ&A
- 退職前に「有給を全部消化します」と伝えたら、上司に「人手が足りないから無理」と言われました。どう対応したらいいですか?
-
まずは、「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、有給休暇は法律(労働基準法)で認められた権利なので、できれば全て消化させていただきたいです」と冷静に伝えてみてください。
それでも難しいと言われた場合は、「念のため、労働基準監督署にも確認してみます」とやんわり伝えるのもアリです。 - 「うちは前例がない」「みんな我慢してる」と言われたら…?
-
「今までのやり方は理解しているつもりですが、有給休暇の取得は、法律で認められている権利なので、私も活用したいと考えています」と、制度としての正当性を伝えましょう。
それでも相手側の譲れない雰囲気が強い場合は、書面やメールで申請した証拠を残すのも有効です。 - 申請したのに、職場が無視したり返事をくれません…。
-
まずは「先日確認させて頂いた有給休暇取得について、いつごろお返事いただけますか?」と再度確認しましょう。それでも無視される場合は、最寄りの労働基準監督署へ相談し、「どう対応したらいいか」を聞くと良いと思います。
- 有給消化の申請は、いつ・どんなタイミングで出すのがベスト?
-
一般的には、退職の意思を伝えると同時に「有給休暇も全て消化したいです」と早めに申し出るのがベストです。職場側が最終出勤日も含めて計画的に調整できるよう、できるだけ早めに相談しましょう。
- 「法律上の権利であること」を冷静に伝える
- 労働基準監督署に相談することをやんわり伝えてみる
- 必要に応じて書面(メールなど)で申請の証拠を残す



大切なのは、感情的にならず、淡々と「権利を主張する」ことです。
どうしても認められない場合
ヒロユキの本音
現場では「辞める人は我慢して当たり前」みたいな空気が残っているところもまだ多いのではないでしょうか。
でも、“自分を大事にすること”は決してわがままではありません。
むしろ、これまでたくさん頑張ってきたあなただからこそ、最後まできちんと権利を受け取ってほしい。
私はそう思います。



「退職時の有給消化は誰にでもある正当な権利」だと、自信を持って申請しましょう!
今すぐできる第一歩〜アクションプラン例〜
“有給買取は義務じゃないなら、どうせ貰えないに決まってるんでしょ?”と思う方もあるかもしれません。
でも、実際は職場やタイミングによっては、棚ぼた的に“お小遣い”がもらえる可能性もゼロではないんです。
まずは、「ダメ元でも一度確認(相談)してみる」のが大事です。
- ステップ①:まず、就業規則を再確認する
- 病院や施設によっては、この「有給休暇の買い取り」について、就業規則にルールを定めている場合があります。まずは、就業規則に記載がないかを確認してみましょう。
- 病院や施設によっては、この「有給休暇の買い取り」について、就業規則にルールを定めている場合があります。まずは、就業規則に記載がないかを確認してみましょう。
- ステップ②:退職交渉の際に、”相談”という形で、丁寧に聞いてみる
- 上司や人事の方に、退職の話をする際に、こう切り出してみてください。
- 【魔法の例文】「一応、確認なんですが、もし有給休暇を消化しきれない場合、買い取りをして貰える制度はありますか?」
- ポイントは、あくまで「制度はありますか?」と、質問する形で、丁寧に聞くことです。
- ステップ③:「NO」と言われたら、潔く切り替える
- もし「うちにはそういった制度はありません」と言われたら、絶対にゴネてはいけません。それは、円満退社から遠ざかる、悪手です。
- その時は、「わかりました。ご回答ありがとうございます」と潔く引き下がり、すぐにこう切り替えましょう。
- 「では、残っている有給休暇に関しては、全て消化したいと考えていますので、最終出勤日について、ご相談させていただいてもよろしいでしょうか?」
まとめ
有給休暇の買い取りは、あくまで「貰えたらラッキー」程度のボーナスです。
1番大事なところは、「1日でも多く有給を消化して、自分の時間をしっかり確保して退職すること」です。
「買取はダメだった…」と落ち込む必要は全くありません。
まずは有給全消化を目標にして、できることを一つずつ行動してみてください。
退職や有給の話は、なかなか言い出しづらいですが“あなたの大切な権利”をしっかり守ることは、決してわがままではありません。



自分を大事にする気持ちを忘れず、新しい一歩を踏み出してください。
応援しています!
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